クリスマスを楽しめるのは、心が豊かな人 （そして今年は一足早くこんな過ごし方を。東京 青山にて）

今日はかつて塾教員だった頃の、クリスマス前のエピソードです。

当時働いていたのは大手の集団指導塾でした。

そこでは保護者様に対しての「きちんと感」を出すことが義務。暗黙の了解で黒スーツ着用必須。

ですが、嫌いでしたね、黒スーツ。私の顔色には強すぎるというのもあるのですが、常識と言う名の弾圧的な圧力。表現と行動の自由を奪われた気がして。

ですが、組織に属するとはそういうこと。仕方ない、決まりですから。

そんなある日のこと。気分転換をしたくて、黒スーツの胸元につけるブローチを探しに。そこで見つけたのが、スワロフスキーで出来たエンジェルのピンブローチ。まさにクリスマスのイメージ。

 

とても素敵なのですが、けっこうなお値段（10,000円は超えていた記憶が）。絶対に買えない額ではないけど、贅沢品。余裕はありませんでした。

当時の私はそこそこの生活はできるレベルだったにもかかわらず、いつもお金に困っていました。

「私にはお金がない」「お金の話をする人間は意地汚い。守銭奴だ」「お金がすべてではないんだ」

「お金がない」としょっちゅうおっしゃる方は、お金がほしいのに（無意識に）お金の悪口を言う傾向があります。素直さがなく嫌われることばを発しています。当時の私もこんなことばかり思っていたと思います。

「どうせ、今の私には買えないんだ」といつものように値段を見てためらっていると、店員さんが一言。

「クリスマスを楽しめる方は、心が豊かな人ですよ」

このことば、当時の私にとって強いインパクトがありました。

心に余裕がないとき、心が荒んでいるときは「クリスマスなんて」と思ってしまう。イベントを楽しみたいなんて思わない。グッズにも興味がない。すべてが他人事。どうせ私なんて。

当時の私はまさにそれでした。

この当時は、実はこの教室の初期の頃でもあります。

自身の人生のclearing（＝スピリチュアル用語では浄化）をしたくて、再出発した頃。（教室名Clear Colorsのclearには意味通りの「ピュア」だけではなく、「浄化」の意味も込められている）

ですが当時は、自身の描いた通りにはいかない日々のくり返し。

がんばっているのに、自分だけうまくいかない理由がわからない。「世の中は出来レース。成功するものと搾取されるものとの格差しかない」と、さらに強い怒りのエネルギーを放っていた頃。

今思い返せば、勝手にそう思い込んでいただけ、なのですが。

強い怒りの感情で心の平安を保とうとするからさらに強い怒りの感情がやってきて、「試練」のレッスンが連打で続く。

なぜ自分はうまくいかないのか、そこばかりフォーカスを当てていた日々でした。

魂の未熟さゆえ、許せないことが多すぎました。当時は自尊心の低さゆえ視野が狭くなっていて、自身のエネルギーの向け方が正しくわかっていなかったのでしょう。

もっと早くそれに気づけば、不要な負の念に執着せずなりたい自分になれたのにと思います。

「クリスマスを楽しめる方は、心が豊かな人ですよ」

そんな気持ちを抱えたころに聞いた店員さんのことば。

当時の私は、孤独だったのでしょうね。とても素敵なことばなので、今思えばお店の最上級のセールストークという気もしますが（笑）、とても胸に響きました。

そういえば、あの頃を境に徐々に状況は変わりはじめました。周囲が変わったのではなく、私自身の思考が大きく変わりはじめたのですね。